群響243回定期のメインは千住明のオペラ「滝の白糸」
実は今日は朝から東京。
仕事だったのです。
三連休前半の二日間はめいっぱい遊び歩いたので、
今日から始まる今週の正味6日間稼働は、
なんだかくたびれそうです。
さて、それはさておき、
昨晩出かけた群馬交響楽団の第543回定期演奏会の続きです。
開演が18時45分だったので、16時頃家を出て、
高崎に向かったのですが、到着した頃にはすでに真っ暗。
群馬音楽センター周辺は、イルミネーションも始まっていたのですが、
高崎のイルミネーションも、なかなか豪華できれいですね。


さて、群馬音楽センターに入館し、開演を待ちます。

この春出かけたときにも書きましたが、
群馬交響楽団は、非常に意欲的な定演プログラムです。
我々が出かけた第38回の定期演奏会は、
ショスタコーヴィチの黄金時代に交響曲第1番、
それにバーンスタインの交響曲第2番「不安の時代」に
ウェストサイド・ストーリーのシンフォニックダンスと、
超盛りだくさんなプログラムだったのにも度肝を抜かれましたが、
その後も第541回定演ではエルガーのオラトリオ「神の国」など、
東京でも滅多に聴けないようなラインナップ。
そして、今回でかけた543回定演は
オール邦人作品で、芥川也寸志の交響管弦楽のための音楽、
團伊玖磨の飛天繚乱、黛敏郎の饗宴、
それにメインが千住明のオペラ「滝の白糸」第3幕という、
これまた滅多に聴けないようなラインナップです。

前半の芥川也寸志、團伊玖磨、黛敏郎の三人の作曲家は、
戦後日本を代表する大作曲家の方々。
ほぼ同じ時期に今の芸大の前身である東京音楽学校に学び、
戦中は軍楽隊に参加したという経歴も共通しており、
戦後は「三人の会」を結成して、次々と作曲した作品を
演奏して世に問うて、それぞれテレビ時代にも活躍したという、
八面六臂の活躍をされた方々です。
私はそれぞれの作曲家に思い入れがあり、
芥川さんの交響管弦楽のための音楽は、学生時代から大好きな曲。
我が家には、何枚もCDがあります。
芥川龍之介の子息として、子供の頃から当時最先端だった
プロコフィエフやストラヴィンスキーの作品などが身近にあり、
特に初期の作品は当時のソビエトを席巻した社会主義リアリズムの
影響を受けた、快活で、平明なバイタリティあふれる作品が多く、
若き日の芥川さんの才気が爆発する、交響管弦楽のための音楽は
その代表作の一つです。
そして、團さんは忘れもしない、中学のクラス対抗合唱コンクールで
私が指揮をして優勝した、合唱組曲「筑後川」の作曲者。
オリエンタルな旋律を悠然と奏でる曲の数々は、
汎アジア的な作風とも言われ、今回演奏された
飛天繚乱も最晩年の作品ですが、現代的な響きもありつつ、
團さんらしいアジア的な響きがする佳曲です。
そして、黛敏郎さんと言えば題名のない音楽会。
よく見ていましたが、美空ひばりがオペラを歌う、という企画には
あまりのすごさにテレビを見ていて鳥肌が立ちました。
作曲の方では、仏教に題材をとった代表作の涅槃交響曲は
梵鐘の音を音響分析し、それをオーケストラで再現したという
ものすごい曲で、禅を感じさせる静的なところもありながら、
ジャズ的なフレーズも出てくるという、音響の魔術師的な
作品が多い作曲家の方です。この日演奏の饗宴もその代表作。
さて、日本の超一流オケと比べると、若干演奏技量的には
不安な点もある(といったら失礼ですが)群響ですが、
冒頭の交響管弦楽のための音楽の爆発的な推進力が感じられなかったことを除けば、
いずれも大熱演。飛天繚乱は、初めて実演を聴いたのですが、
非常によかったです。音の大競演となる饗宴もしかり。
惜しいのはやはり、交響管弦楽のための音楽かな。
なんだか、普通の音楽になってしまっていました。
そして、打って変わって後半は千住明のオペラ「滝の白糸」第3幕を
演奏会形式で取り上げます。
泉鏡花の原作で、かつては映画化されたこともあったそうです。
これは初めて聴く曲ですが、
音楽的には、NHK大型時代劇の劇伴音楽といった曲調。
いわゆるグランドオペラ、という重厚さと言うより、
ミュージカルのようなポップな感じの曲調です。
それでも、大編成の合唱団を従えて、舞台狭しと演奏者が乗っての
大熱演は、なかなか感動的でした。
何より、こんな珍しい曲を高崎で聴けたのが素晴らしい。
しかも、昨日も客席は超満員。
伊勢崎オートや前橋競輪がある
がさつな県民というイメージもありますが。
一方で、非常に文化的で教養あふれる群馬の一面を、
昨日も再認識しました。
次回はしばらく聴きたい曲がないので、
次のシーズンかな。
どんな意欲的なプログラムになるのか、来年も楽しみです。
次の目標300万アクセスに向けて、
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仕事だったのです。
三連休前半の二日間はめいっぱい遊び歩いたので、
今日から始まる今週の正味6日間稼働は、
なんだかくたびれそうです。
さて、それはさておき、
昨晩出かけた群馬交響楽団の第543回定期演奏会の続きです。
開演が18時45分だったので、16時頃家を出て、
高崎に向かったのですが、到着した頃にはすでに真っ暗。
群馬音楽センター周辺は、イルミネーションも始まっていたのですが、
高崎のイルミネーションも、なかなか豪華できれいですね。


さて、群馬音楽センターに入館し、開演を待ちます。

この春出かけたときにも書きましたが、
群馬交響楽団は、非常に意欲的な定演プログラムです。
我々が出かけた第38回の定期演奏会は、
ショスタコーヴィチの黄金時代に交響曲第1番、
それにバーンスタインの交響曲第2番「不安の時代」に
ウェストサイド・ストーリーのシンフォニックダンスと、
超盛りだくさんなプログラムだったのにも度肝を抜かれましたが、
その後も第541回定演ではエルガーのオラトリオ「神の国」など、
東京でも滅多に聴けないようなラインナップ。
そして、今回でかけた543回定演は
オール邦人作品で、芥川也寸志の交響管弦楽のための音楽、
團伊玖磨の飛天繚乱、黛敏郎の饗宴、
それにメインが千住明のオペラ「滝の白糸」第3幕という、
これまた滅多に聴けないようなラインナップです。

前半の芥川也寸志、團伊玖磨、黛敏郎の三人の作曲家は、
戦後日本を代表する大作曲家の方々。
ほぼ同じ時期に今の芸大の前身である東京音楽学校に学び、
戦中は軍楽隊に参加したという経歴も共通しており、
戦後は「三人の会」を結成して、次々と作曲した作品を
演奏して世に問うて、それぞれテレビ時代にも活躍したという、
八面六臂の活躍をされた方々です。
私はそれぞれの作曲家に思い入れがあり、
芥川さんの交響管弦楽のための音楽は、学生時代から大好きな曲。
我が家には、何枚もCDがあります。
芥川龍之介の子息として、子供の頃から当時最先端だった
プロコフィエフやストラヴィンスキーの作品などが身近にあり、
特に初期の作品は当時のソビエトを席巻した社会主義リアリズムの
影響を受けた、快活で、平明なバイタリティあふれる作品が多く、
若き日の芥川さんの才気が爆発する、交響管弦楽のための音楽は
その代表作の一つです。
そして、團さんは忘れもしない、中学のクラス対抗合唱コンクールで
私が指揮をして優勝した、合唱組曲「筑後川」の作曲者。
オリエンタルな旋律を悠然と奏でる曲の数々は、
汎アジア的な作風とも言われ、今回演奏された
飛天繚乱も最晩年の作品ですが、現代的な響きもありつつ、
團さんらしいアジア的な響きがする佳曲です。
そして、黛敏郎さんと言えば題名のない音楽会。
よく見ていましたが、美空ひばりがオペラを歌う、という企画には
あまりのすごさにテレビを見ていて鳥肌が立ちました。
作曲の方では、仏教に題材をとった代表作の涅槃交響曲は
梵鐘の音を音響分析し、それをオーケストラで再現したという
ものすごい曲で、禅を感じさせる静的なところもありながら、
ジャズ的なフレーズも出てくるという、音響の魔術師的な
作品が多い作曲家の方です。この日演奏の饗宴もその代表作。
さて、日本の超一流オケと比べると、若干演奏技量的には
不安な点もある(といったら失礼ですが)群響ですが、
冒頭の交響管弦楽のための音楽の爆発的な推進力が感じられなかったことを除けば、
いずれも大熱演。飛天繚乱は、初めて実演を聴いたのですが、
非常によかったです。音の大競演となる饗宴もしかり。
惜しいのはやはり、交響管弦楽のための音楽かな。
なんだか、普通の音楽になってしまっていました。
そして、打って変わって後半は千住明のオペラ「滝の白糸」第3幕を
演奏会形式で取り上げます。
泉鏡花の原作で、かつては映画化されたこともあったそうです。
これは初めて聴く曲ですが、
音楽的には、NHK大型時代劇の劇伴音楽といった曲調。
いわゆるグランドオペラ、という重厚さと言うより、
ミュージカルのようなポップな感じの曲調です。
それでも、大編成の合唱団を従えて、舞台狭しと演奏者が乗っての
大熱演は、なかなか感動的でした。
何より、こんな珍しい曲を高崎で聴けたのが素晴らしい。
しかも、昨日も客席は超満員。
伊勢崎オートや前橋競輪がある
がさつな県民というイメージもありますが。
一方で、非常に文化的で教養あふれる群馬の一面を、
昨日も再認識しました。
次回はしばらく聴きたい曲がないので、
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